前提として、事実誤認があった際にその訂正を求めるというのは、会社組織としては当然の対応であり、またブログとはいえ「メディア」だという以上、誤った情報を流してしまい指摘を受けた際は真摯に対応すべき...
Published by atasinti,
前提として、事実誤認があった際にその訂正を求めるというのは、会社組織としては当然の対応であり、またブログとはいえ「メディア」だという以上、誤った情報を流してしまい指摘を受けた際は真摯に対応すべきだと思う。 その上で。『ガ島通信』様は、各新聞社と病院側の公式見解を受けて、「読売、毎日、朝日については事実はないことことが明らかになっている」としているけれど、Parsleyの目からしてみると「ほんとうに?」と感じてしまう。記者が広報からの問い合わせに嘘の証言している可能性はないのか。大阪支局以外の記者が入っている可能性はないのか。系列の週刊誌などのライターが社名を名乗っている可能性はないのか。 このような疑問を多くの読者に抱かせている、というところを、各社広報はまず真剣に受け止めるべきで、そういった視点からすれば今回の対応はまったくのマイナスだ。 今回いちばん重要なのは、取材対象者=但馬救命救急センター側の不信を読売・毎日・朝日の三社をはじめとするマスメディアが買ってしまっているということ。 簡単にいって、マスメディア人が取材対象者に対して「敬意が欠ける」と感じさせ、それの内容をブログに書かれる程のものだということだから、「誤認」を与えるようなことをメディア全体としてなされているということに対して、但馬救命救急センター側に謝罪の念を伝える、というのがほんとうに正しい広報対応だ。 おそらく、今回の事実誤認・訂正騒ぎによって、エントリーを書いたセンター長の「マスコミ不信」は更に高まっているのではないだろうか。それは今後取材をする過程において、明らかにマイナスに作用するはず。 Parsley個人の経験では、ネットメディアでお仕事をさせて頂くにあたって、取材対象者に了解を取ったつもりになっていても、それが意図通りに伝わらず、後に「聞いていなかった」といったクレームを受けることがある。複数の関係者間で、誰かひとりに話が通っていないだけでも、後々になってちょっとしたお叱りを頂く場合もある。 でも、たとえこちらが十全を尽くしたとしても、不信を買ってしまったことには変わりないから、そこは「申し訳ありません」と、掲載メディアの中の人としてではなく一ライターとして謝る。逆にいえば誠実な態度で対応しないと、どこも取材できなくなってしまう。 結局、マスメディアの記者って私みたいな木っ端ブロガーとは違って看板に守られているから、実際に強引な取材をしたとしても、最終的には会社が守ってくれるし、取材対象者の「信用」なんてどうでもいいんだろうなぁ、と感じざるをえない。 そして、会社としては「信用」が大事なので、社を傷つける情報について訂正を求めるというパラドックスが起きているというわけだ。やれやれだぜ。 あえて乱暴に書くと、事実がどうだったとか、「ジャーナリズム」とかはこの際どうでもいい。強引な取材を(特定のどこかではない)マスメディアが恒常的に行っているということ。そのことによって多くの取材対象者の不信を買っているということ。そして、当事者からの情報発信によって可視化され、多くの購読読者および潜在読者へも不信が広がっていること。ここがポイントなのではと思う。 そう考えると、ブログエントリーの訂正を求めるという読売・毎日・朝日の広報対応は「お客様」意識に全く欠いている。 そしてそれこそが、既存メディアが衰退する唯一かつ最大の理由なのではないだろうか。 各社広報は今からでもブログ記事の訂正と「誠意ある対応」とやらを但馬救命救急センター側に求めるのをやめて、取材記者に個人として菓子折り持参させて病院に訪れさせるべきだと、個人的には思うけれど。まぁ、そんな機微に長けた方がいらっしゃるなら、こんな騒ぎにはなっていないだろうしね。 まぁ、商売よりも威信の方が大事だというなら、それでもいいけれど。こういった対応を続けていると新聞の購読者って減る一方でも仕方ないよね、と愚考する次第です。読売・毎日・朝日が衰退するたった一つの理由 :: Parsleyの「添え物は添え物らしく」