今年の二月、早朝の6時から警察に叩き起こされて、3人がかりで四畳半のアパートの家宅捜索を受けました。はじめ自分の身に何が起こったのか、まったく分かりませんでした。2月の初旬でしたが、4月リリース...

今年の二月、早朝の6時から警察に叩き起こされて、3人がかりで四畳半のアパートの家宅捜索を受けました。 はじめ自分の身に何が起こったのか、まったく分かりませんでした。 2月の初旬でしたが、4月リリースにむけて仕事の忙しい時期だったので、そんなに寝てない状況でした。 まだ寝不足な朝っぱらから、尋常ではなく激しくチャイムが鳴らされるので何事かとドキドキしながらドアごとに、なんでしょうか? と尋ねたら「警察です」というので何事かと思ってドアを開けた訳です。 すると、いきなり警察手帳を見せられて、このアパートから違法なファイルが送信されているから家宅捜索します、とB5のコピー用紙みたいなものに私の名前が書かれた裁判所の令状とかいう紙を見せられました。 児童ポルノ禁止法違反の疑いによる捜索差押令状でした。 はじめて令状をみたのですが、裁判所の令状が取られるなんて、いったい何事!?!?と思いました。 会社が借りてくれた、このレオパレスは、アパート全体で1個のIPしかない共有型らしく、外からみたら、だれが送信もとかはIPアドレスだけでは分からないので、レオネットに契約している全住人の部屋を調べるとのことでした。 一応、法学部卒業なのですが、まさか自分が令状が取られるなんてことは予想もしていませんでした。 裁判所の令状には「児童ポルノ法違反」とあり、まさに私が犯罪者として捜査される立場であることを示してあり、なんでオレ疑われてんの!? なにやらかしちまったの!? という恐怖に似たようなものがこみ上げてきた覚えがあります。 「パソコンは何台もっているか」「今、電源は入っているか?」など聞かれ、奥に普段使ってない検証用OSの入ったノートパソコンがあるので取りにいこうとしたら「パソコンには触れないで!」と怒られたりして、電源つけっぱなし(スリープ)になっているiMacに案内すると、ログインしろというのでログインして、捜査官がiMacの中身を調べ始める。 「捜査するのはパソコンだけで、それ以外は捜査しませんから」という説明をうけたのですが、そうはいっても部屋に何があるかは一目瞭然で、平積みされている漫画本とプログラミング関係の本をみて、コンピュータ関係の人ですか? とか聞かれたり。(でも、はじめから分かっていたと思うんだけどね。) 後ろで見ていて、当たり前なんでしょうが、何を探しているのかはいってくれません。 片っ端からファインダーで覗かれたりスポットライトで検索かけられるのは気分のいいものではないです。 私も男ですから多少はエッチな画像もあるし、児童ポルノ法といえば実在・非実在問わず20歳未満の未成年の裸であれば即アウトな法律なので、今パソコンにある画像の何パーセントかは違法と言われるかもしれない、という漠然とした恐怖がありました。(画像投稿サイトのボランティアのメンテナもしているので、そこのサイトバックアップが大半でしたが。)*1 一個でもあれば有罪にできるでしょうし、起訴するか否かは取り調べる側で決めることですから。 それで、捜査員が、Applicationsフォルダを探して「Cありません」「Lもありません」みたいなことを報告していて、はじめ何かなと思ったが、どうやらファイル共有ソフトを探しているらしく、Cはカボス、Lはライムなんだろうなぁ、と気づくと、ようやく事情が分かってきて、どうやら、このアパートから、誰かがP2Pのファイル共有ソフトで児童ポルノを共有したのだろう、と気がつきました。 2月の時点では分からなかったのですが、児童ポルノ規制強化でプロバイダがウェブ経由での流通をアクセスできなくする努力のおかげでウェブに公開される児童ポルノは激減したらしく、かわりにP2Pを使ったファイル共有での拡散が当時は広がって摘発件数が増加していたらしいと、この事件後の 3月ごろのネットニュースで見聞きして、ようやく児童ポルノがどんな状況なのか分かったのですが…。 (で、たぶん、P2P撲滅キャンペーンみたいなことを警察内部でやっていたから2、3月の摘発件数が激増していたのではないかと。) で、私は去年の8月から東京に出稼ぎにきて、それにあわせて9月ごろにiMacを買ったので、そもそもファイルを溜め込んでいないので、画像や動画を探しても、そんなに出て来るはずがなく。(サイトバックアップ分ぐらい。) 探しているものがみつからないらしく、「おかしい、あなたぐらいの年齢の独身男性なら、もっと猥褻なものがあっていいはずだ」とかいわれてしまう。 今考えると、どれだけ決めつけて捜査していたのかを現す、かなりの暴言のように思えるのですが、そのときは、ああ探しているものが無かったんだ、ということの安堵感のほうが強かったのも確かでした。 結局、探しているのは数分ぐらいの動画で、このパソコンには、そもそも動画なんて数本もないはず。(iMacやアプリケーションにプリインストールされている説明動画とかぐらい?) いくら探してもみつかるはずがありません。 「P2Pは?」と問われたので、「ファイル共有ですよね? やりませんよ。」と答えると逆に真顔で「どうしてP2Pをやらないのですか?」と尋ね返されてしまって逆に困惑してしてしまいました。 一応、この業界で働いてますから、と答えたのですが、いったい、どうゆう事前情報があったのか知らないですが、どうして私がP2Pファイル共有をやっていると思われたのだろうか。そのところが、とても気持ち悪い。 それで、ここではなかった、と分かった様子で、次の部屋の捜索に行ってくれたのですが…。児童ポルノ法が私に及ぼした実害と、今後増えると予想される家宅捜索 - seraphyの日記