では、NTTドコモユーザーのどういった層が、iPhoneに乗り換えているのだろうか。フィーチャーフォンユーザーは同じ機種、同じキャリアを長く使い続ける傾向にある。そのため、新たにスマートフォンを...

では、NTTドコモユーザーのどういった層が、iPhoneに乗り換えているのだろうか。フィーチャーフォンユーザーは同じ機種、同じキャリアを長く使い続ける傾向にある。そのため、新たにスマートフォンを持つ層が他社に流れる可能性は比較的低いと考えられる。そうなると、現在流出の主体となっているのは、すでにスマートフォンを所有しているユーザーということになるだろう。

 しかも、いわゆる“2年縛り”が常態化している現状を考えると、MNPで流出しているのは、縛りが解ける2年前にスマートフォンを購入したユーザーが中心と見られる。2年前、つまり2011年頃は、iPhone以外の多くのスマートフォンが採用するOS、Androidがまだ発展途上にあった時期だ。スマートフォンもモデルによって使い勝手に大きな差があり、ユーザーの満足度が低い端末も見られる状況だった。

 2年前にAndroidスマートフォンを購入したユーザーは、2年縛りにより、長い間端末への不満を抱えていた。そうしたユーザーが、使い勝手が改善された現在のAndroidスマートフォンを知らないまま、当時から使い勝手が安定しており、しかも料金的メリットが大きくなったiPhoneに乗り換えることで、NTTドコモの流出が続いている。これが、MNP流出が続く大きな要因の1つになっているのではないだろうか。それだけに、同社がMNPによる流出を食い止め、さらに攻めの戦略を実施するには、フィーチャーフォンユーザーだけでなく、既存のスマートフォンユーザーに対しても、大胆な買い換え施策を実施するのが最も効果的なことなのかもしれない。 (4/4)ネットワーク・ホットトピックス - それでも純減したNTTドコモの「ツートップ戦略」は失敗だったのか?:ITpro